コード進行の物語
音楽の歴史は、コード進行の進化と密接に関わっています。このページでは、ロック・ミュージックの代表的な楽曲から、歴史的に同年代の楽曲のコード進行の共通点や変遷まで、ギターコード進行にまつわる興味深い物語を紹介します。
ロック・ミュージックのコード進行
1950年代:ロックンロールの誕生
1950年代、エルヴィス・プレスリーやチャック・ベリーによってロックンロールが誕生しました。この時代のコード進行は、ブルース進行を基盤としていました。
代表的なブルース進行
I - I - I - I - IV - IV - I - I - V - IV - I - I
代表的な楽曲
Johnny B. Goode - Chuck Berry
I - IV - I - V
Hound Dog - Elvis Presley
I - I - IV - I - V - IV - I
Rock Around the Clock - Bill Haley
I - I - I - I - IV - IV - I - I
1960年代:ブリティッシュ・インヴェイジョン
ビートルズやローリング・ストーンズが登場し、より複雑なコード進行が使われるようになりました。メジャー・マイナーの混合や、セブンスコードの使用が特徴的でした。
ビートルズ風のコード進行
I - vi - IV - V
代表的な楽曲
Yesterday - The Beatles
F - Em - Dm - Bb - C - F
Satisfaction - Rolling Stones
E - A - E - A
House of the Rising Sun - The Animals
Am - C - D - F - Am - C - E - E
1970年代:プログレッシブ・ロック
ピンク・フロイドやイエスなどのプログレッシブ・ロックバンドが、クラシック音楽の影響を受けた複雑なコード進行を導入しました。
プログレッシブ・ロックのコード進行
i - VII - VI - VII - i - VI - VII - i
コード進行の歴史的変遷
1920年代
ジャズの黄金時代。ii-V-I進行が確立され、複雑なハーモニーが発展しました。
1950年代
ロックンロールの誕生。シンプルなブルース進行が主流でした。
1960年代
ブリティッシュ・インヴェイジョン。メジャー・マイナーの混合が一般的になりました。
1970年代
プログレッシブ・ロック。クラシック音楽の影響で複雑なコード進行が登場しました。
1980年代
ニュー・ウェイブとシンセポップ。電子楽器の普及で新しいサウンドが生まれました。
1990年代
グランジとオルタナティブ・ロック。パワーコードとシンプルな進行が復活しました。
2000年代以降
デジタル時代。過去のスタイルを融合した新しいコード進行が生まれています。
同年代楽曲の共通点と変遷
1960年代の共通パターン
1960年代の楽曲には、I-vi-IV-V進行が多く使われました。これは「50s Progression」として知られ、多くのヒット曲で使用されています。
Stand By Me - Ben E. King
I - vi - IV - V
Earth Angel - The Penguins
I - vi - IV - V
Unchained Melody - The Righteous Brothers
I - vi - IV - V
1970年代の変遷
1970年代になると、より複雑なコード進行が使われるようになりました。マイナー・キーの使用や、モーダル・インターチェンジが一般的になりました。
1980年代の革新
1980年代は電子楽器の普及により、新しいサウンドとコード進行が生まれました。シンセサイザーによる新しいハーモニーが特徴的でした。
現代音楽への影響
過去のコード進行は、現代のポップス、ロック、ジャズ、エレクトロニック・ミュージックに大きな影響を与えています。新しいアーティストたちは、これらの伝統的な進行を現代的なサウンドで再解釈しています。
現代でも使われる古典的進行
I - V - vi - IV (ポップス進行)